【ジブリ飯を作る】『魔女の宅急便』の”ニシンとかぼちゃのパイ包焼き”をおいしく焼き上げる。

『魔女の宅急便』の”ニシンとかぼちゃのパイ包み焼き”

“私このパイ、きらいなのよね”

大人になった今となっては、この孫娘の気持ちも理解できなくもありませんが、子供の頃に『魔女の宅急便』をみた際にはこのセリフに少なからず衝撃を受けたものです。

このセリフのおかげ(せい?)で「ジブリ飯」の中でも指折りに有名な”ニシンとかぼちゃのパイ包み焼き”。

孫娘の言動のせいでネガティブな印象があるこの料理ですが、旧式のかまどで焼き上げる場面や、焼き上がりの描写など、見ている側からすると非常に美味しそうな描かれ方で、是非とも食べてみたいと強く思ったものです。

この”ニシンとかぼちゃのパイ包み焼き”はキキが宅急便を初めてすぐの頃に配達を請け負ったある老婦人の得意料理として登場します。

『魔女の宅急便』の舞台は北欧圏と言われているだけあって、そのメインの食材としては北欧圏で広く親しまれているニシンが使われています。日本ではニシンは北海道などを除き、それほど流通しているとは言い難い魚ですから、関東育ちの私からするとニシンといえば身欠きニシンか甘露煮、あるいは数の子、くらいでしか知らず、作中で”ニシンとかぼちゃ”という組み合わせを聞いた際は、未知の組み合わせに心躍ったものです。

最近でこそ、関東でも生のニシンが手に入りますのでが、子供の頃はニシンといえば鰊蕎麦の上に乗っているものという認識でした。なので、ニシンとパイとが全く結び付かず…。正直、初めに聞いた時には本当に美味しいのか少し疑問もあり、孫娘が嫌いなのも分からないでもない思いもしましたが、やはりそこはスタジオジブリの腕です。

そんな幼心の一瞬の疑問も美味しそうな描写によって吹き飛ばされました。さらに、かぼちゃという要素も相まって、きっとホクホクした美味しいパイなのだろうなというイメージが頭の中で自然と膨らんでいきました。

“ニシンとかぼちゃのパイ包み焼き”は美味しくないのか?

さて、そんな”ニシンとかぼちゃのパイ包み焼き”ですが、本当においしくないのでしょうか。

なにせ、数ある「ジブリ飯」の中でも、作中で明確に低評価を受けている数少ない料理です。

孫娘のネガティブな発言はあるものの、老婦人の得意料理ということですし、その描写はどこをとっても美味しそうにしか見えません。実際、丁寧に作ってみれば料理自体はおいしく仕上がります。

ところで、スウェーデンにはシュールストレミングというニシンを塩漬けにした加工品があります。世界一くさい珍味としても知られるこの食べ物ですが、決してスウェーデン人全員が好んでいるわけでも、日常的に食べているわけではありません。少し極端な話にしてしまいましたが…。

ニシンは北欧圏でもっともポピュラーな魚の一種ですが、必ずしもみんながみんな好きなわけではないということで、この”ニシンとかぼちゃのパイ包み焼き”に対するあの評価はあくまで孫娘の個人的な嗜好なのでしょう。話の展開上、孫娘をああいうキャラクターにする必要もあったのでしょうし…。

ちなみに、この「”ニシンとかぼちゃのパイ包み焼き”についての、最大のネガティブキャンペーンは誰が言い出したのか「スターゲイジー・パイ」です。スターゲイジー・パイというのはパイ生地から複数の魚の頭が飛びだしたイギリスのパイで、その衝撃的な見た目からゲテモノ扱いされることも多い食べ物です。

『魔女の宅急便』”ニシンとかぼちゃの包み焼き”作る。

それでは実際に”ニシンとかぼちゃの包み焼き”を作っていきましょう。

動画もありますので、よろしければこちらもどうぞ。

最近は美味しい冷凍のパイ生地も手に入るので、それを使ってもいいのですが、せっかくなのでパイ生地から手作りで作利ました。

小麦粉の生地でバターを包んで、伸ばして、折って、伸ばして、折ってを繰り返し、丁寧におりパイ生地を作ります。

今回ニシンは生のものが手に入らなかったので、マリネにされているものを軽く塩抜きして使いました。

ノルウェーやスウェーデンではニシン(Silという種類)は主にマリネとして食べられます。

あくまで”パイ包み焼き”ですので、定番の魚介のムースを挟むことにします。

今回はホタテ貝柱と海老を使って、卵白、ディル、塩胡椒を加えてムースにしました。

かぼちゃは薄切りにして底に敷いてみました。今回は、生のままで使いましたが、蒸したりして軽く火を通してから使ってもよかったかもしれません。

かぼちゃの隙間を均すようにムースを敷き詰めていきます。

ちなみに、かぼちゃに関しては、実は日本のようなかぼちゃも流通数るようになってきています。これらのかぼちゃはHOKKAIDOと呼ばれています。

たっぷりのムースを挟んだら、いよいよニシンの出番です。

しっかりと脂の乗ったニシンですね。

ニシンの上からさらにムースを乗せたら、表面をパイ生地で覆い、仕上げに表面に魚を描いていきます。

作業中に体温でパイ生地のバターが溶けて生地が台無しにならないように注意が必要なので、思いの外細かく繊細な作業になります。

パイ生地の魚が完成したら、表面に卵黄を塗った上で、縁にブラックオリーブを飾ります。

さあ、後はオーブンで焼き上げるだけです。手作りの折りパイ生地がきちんと層をなして焼き上がるか、不安半分、期待半分ですが、オーブンに入れて仕舞えば成功を願うしかできません。

バターをたっぷり使ったパイ料理は、焼き上がるまでの過程も美味しいひとときですね。

オーブンから漏れ出る香ばしく甘いバターの香りについつい中を除いてみたくなってしまいます。

さて、これで焼き上がり。

とりあえず、見た目上はうまく焼き上がりました。

切り分けてみると、やはり少し水が出てしまっています。

しかし、表面のパイ生地はサクサクに仕上がり、中のニシンもしっかり存在感を見せています。心配していたかぼちゃもきちんと火が通っていました。

元マリネのニシンを使ったことで、ニシンにしっかりめの塩味が効いていたこともあってか、ニシンのしっかりした味わいにかぼちゃの程よい甘さと魚介ムースのなめらかな旨みが良い加減に合わさっていました。

『魔女の宅急便』の”ニシンとかぼちゃのパイ包み焼き”美味しゅうございました。

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