【ジブリ飯】『ハウルの動く城』の “ハウルのベーコンエッグ”を再現する。

『ハウルの動く城』の “ハウルのベーコンエッグ”とは

“ハウルのベーコンエッグ”は宮崎駿監督作品『ハウルの動く城』に登場する料理(ジブリ飯)の一つ。

老婆に変えられたソフィーが”ハウルの動く城”に迷い込んだ翌朝にハウルが披露した料理です。ハウルの流れるような手つきと、弾けるベーコンの油、そして、卵の殻をあまりにも美味しそうに食べるカルシファーの様子に、当時子供だった私の目にはただのベーコンエッグが、まるでこれ以上ないほどの極上なご馳走のように映りました。

特に、カルシファーがあまりに美味しそうに食べるので、”卵の殻って美味しいのだろうか?”と本気で試そうか迷ったくらいでした。当時サルモネラ菌の流行などもあって、実際に口に入れるのは思いとどまりましたが…。

ベーコンエッグとカルシファー

厚切りのベーコンが脂をはじけて美味しそうに香ばしく焼かれる様もとても魅力的です。日本でベーコンといえば薄くスライスされたもので、大きさもさほど大きくないものが一般的ですので、ハウルの使う見たこともないほどに分厚く、大きなベーコンに心惹かれたものです。

“ハウルのベーコンエッグ”は何が特別なのか

“ハウルのベーコンエッグ”は実は文字通りシンプルなベーコンエッグです。特別な食材が使われているわけでもなければ、特別な調理法を使うわけでもありません(火の悪魔の炎で調理する以外は…)。特別凝った料理ではないにもかかわらず、なぜだかとんでもなく美味しそうに見えるのが「ジブリ飯」。不思議な魅力があります。

では、何が”ハウルのベーコンエッグ”を特別魅力的にするのか、ということですが…。

一つは間違いなくベーコンの分厚さでしょう。普段スーパーマーケットなどで見かけるスライスのベーコンなどとは比較にならないほどに肉厚なベーコンを惜しげもなく使っているところに非日常的な魅力があります。カルシファーの強火で焼かれるベーコンから脂と肉汁が溢れ出し、弾ける様は涎が止まらなくなります。

手際よく調理するハウル

そして、もう一つの魅力は卵を割り入れる際のハウルの手際の良さでしょうね。卵をソフィーから受け取っては片手でフライパンに割り入れ、そのまま流れるような仕草で殻をカルシファーに与える。この場面を見て卵の片手割りに挑戦した人は少なくないはず。

英国風朝食とハウルの出身地

ところで、ベーコンエッグといえばイギリス式朝食には欠かすことのできない料理ですね。このイギリスの代表的料理がなぜ登場するのか。

実は原作小説『Howl’s Moving Castle』においてハウルは正真正銘のイギリス人なのです。

ベーコンエッグを食べるソフィーとマルクル

ソフィー達が暮らす国、つまり『ハウルの動く城』の舞台となるのは魔法の存在するインガリー国ですが、実はハウルだけはその世界の人間ではありません。つまりハウルは異世界(作中視点では)からの来訪者なのです。原作の設定では、ハウルは正真正銘この世界のイギリスはウェールズの出身で、彼の家族である姉夫婦らも元の世界にいることになっています。

そういうわけで英国風朝食を表現するために”ベーコンエッグ”が力を入れて描かれたのではないかと思われます。舞台となるインガリー国も名前からして、別世界におけるイングランドといった立ち位置なのでしょうし、そもそもイギリスの児童文学作品なのだから、ハウルの国籍どうこう関係なく物語の世界観はイギリスがモチーフになっているのでしょうが…。

『ハウルの動く城』の”ハウルのベーコンエッグ”を作る

さて、では”ハウルのベーコンエッグ”はを再現してみましょう。

動画もあるので、よろしければ…。

シンプルにベーコンエッグだけで「ジブリ飯」らしさを引き出さなくてはならないので、まずは”ハウルのベーコンエッグ”の要点を押さえておきましょう。

ベーコンエッグを頬張るマルクル

今回は以下のことを気を付けて作ることにしました。

まず一つ絶対に譲れないのは、上でも書いたように”極厚切りの大きなベーコンを使うこと”。

もう一つは、”目玉焼きは黄身がとろけるくらいの半熟であること”。そして、その仕上がりは黄身には弾力があり、また黄身の表面はあまり白く覆われていてはいけない。いわゆる100点満点の目玉焼きである必要があります。

最後に、ベーコンエッグの味には影響は与えない要素ですが、”ハウルのベーコンエッグ”と聞いて誰もがハウルの見事な”卵の片手割り”の場面を思い浮かべるでしょうから、やはりこれも”ハウルのベーコンエッグ”の重要な要素と言えるでしょう。

ハウルのベーコンエッグを作る

では、実際に調理して行きましょう。

先日、とても良さそうなベーコンの塊が手に入ったので、こちらを好みの厚みに切って使っていきます。

ベーコンは分厚いものを…

なかなか立派なもので脂の乗りも上々。これはきっと美味しいベーコンです。

まずはこのベーコンをフライパンで焼いていきます。

今回はこれだけ脂の乗ったベーコンなので、まずは油を入れずに弱火にかけて脂を溶かし出してから、火力を上げて焼き上げていきます。

ベーコンにはしっかりと焼き目を…

ベーコンから大量の脂が出てきたので、卵を入れる前に一度余計な脂を捨てます。

その後、サラダ油を適量加えてから卵を割り入れます。

もちろん卵は片手割り。

卵の片手割り

片手割りの感覚は人それぞれでしょうが、卵を叩きつけてヒビを入れる際にある程度強めに叩きつけることを意識すると割りやすくなると思います(もちろん潰さないように気を付けてください)。卵の殻にしっかりと割れ目を入れておくと、それ以上余計な力を入れずとも、あとは卵を握ったまま指を開くようにして、手のひらの中で卵の殻を押し広げれば自然と殻は割れます。割った際に指を汚さないようにするのは少し練習が必要かもしれません。

フライパンに少量の水を加えて蓋をし、蒸し焼きにするようにして卵に火を通します。表面が白くなりすぎないようにタイミングと水分量には気をつけましょう。目玉焼きをちょうど良い加減の半熟に仕上げるには、表面が白んできたくらいのタイミングで火からおろして余熱で火を入れることを意識するとうまくいくことが多いかなと思います。

さて、卵が上手に焼きあがれば、冷めないうちにお皿に盛り付けて、紅茶を淹れましょう。

紅茶は欠かせない

ベーコンエッグに合わせるのであれば、やはり茶葉はイングリッシュ・ブレックファストが良いでしょうか。ただ、イングリッシュ・ブレックファストはそもそもミルクと合うようにブレンドされているので、ストレートで飲むのは少し濃いかもしれません。

ということで、”ハウルのベーコンエッグ”の出来上がりです。

ハウルのベーコンエッグで朝食

それにしても「ジブリ飯」というものは、現実のものよりもなぜだか美味しそうに見えてしまう不思議なものですね。きっと料理の”美味しそう”な要素が的確に抜き出し、それらが強調されて描かれているのでしょうね。

分厚いベーコンも、弾ける脂も、大きくて鮮やかな卵の黄身も、どれもこれも”こうあってほしい”の理想が具現化されているかのようです。加えて登場人物たちの食べっぷりがまたこれでもかとばかりに美味しそうに食べるものだから、ただのベーコンエッグがまるでご馳走のように見えるのでしょうね。

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