【オーストリア料理】Tafelspitz:ウィーン風牛肉の煮込み【皇帝の愛した牛肉料理の王様】

Tafelspitzとは…

“Tafelspitz”とは”牛肉料理の王様”と呼ばれる伝統的なウィーン料理です。オーストリア=ハンガリー帝国( Austro-Hungarian Empire )時代に起源を持つとされ、オーストリア皇帝Franz Joseph I.(フランツ=ヨーゼフ1世)の好物であったと伝えられています。じっくりと煮込まれた肉は柔らかく、フランツ=ヨーゼフ1世はフォークだけでこの料理を食したという逸話も残っているほどです。

一説には”Tafelspitz”が初めて提供されたのはウィーンのかの有名な老舗ホテルHotel Sacher(ホテル・ザッハー)だとも言われているのだとか…。

“Tafelspitz”という名前については、ドイツ語で”Tafel”とは”ごちそう/食卓”、”spitz”とは”先端”を意味するので、直訳すると”食卓の端”、つまり”末席”ということになります。

この一風変わった名前は、当時の宮廷の食卓の”末席”に座ることになった人々に由来があると言われています。

フランツ=ヨーゼフ1世の統治下では、宮廷での食事の際、全ての参加者は皇帝が食事を終えるタイミングで共にカトラリーを置く、つまり食事を終えなくてはならないという決まりがありました。当然、食事は皇帝から提供され、追って上座から下座の順に提供されていきます。さらにフランツ=ヨーゼフ1世は食事を終えるのが早かったため、食卓の末席にまで食事が提供される頃には皇帝はほとんど食事を終えてしまうことになったのだといいます。

そうすると、末席に列するような参加者たちは、満足に食事をすることができないうちに晩餐が終えられてしまいます。そうして晩餐を食べそびれた人々は、その後Café Sacherに移動して、ようやく”Tarfelspitz”にありついたのだというのが名前の由来とされているのだそうです。

さて、上記のように”Tarfelspitz”はホテル・ザッハーに起源があるとも言われていますが、現在ではウィーンの多くのレストランで提供されるウィーン料理を代表する料理となっています。

ある程度 定番として使われる肉の部位は決まっていますが、定番部位の他にも多岐に渡った肉の部位が使われることも少なくなく、調理部位によって呼び分けもされています。特にウィーンに複数の支店を持つレストラン『PLACHUTTA』では”Tarfelspitz”を名物としており、さまざまな部位から好みの部位を注文することができます。ただし、一つ一つのボリュームがすごいので、一人一種類が限度かと思います。

基本的には、茹でてスライスされた肉と共に、その茹で汁(ブイヨン)がスープとして提供されます。また、煮込みに使った根菜類も共に食されますが、これらがまた肉の旨みを吸ってとても美味に仕上がっています。

お肉には定番とされる”2種類のソース”が添えられることが一般的で、付け合わせにはポテトサラダや炒めたポテトなどが提供されます。

それでは皇帝の愛した”牛肉料理の王様”、ウィーン伝統料理”Tarfelspitz”の本格レシピを紹介しましょう。

Tafelspitzの本格レシピ

Tafelspitz

オーストリア皇帝の愛した牛肉の煮込み料理。牛塊肉(イチボ等)を根菜類と共にじっくりと煮込む。煮汁もスープとしていただく。
Prep Time 1 hour
Cook Time 3 hours
Servings: 4 people
Course: Main Course, Soup
Cuisine: Austria, Viennese

Ingredients
  

  • 1 kg 牛塊肉 イチボ
  • 牛骨 入手可能であれば
  • 1 玉ねぎ
  • 1/2 リーキ
  • 2 人参
  • 2 パースニップ
  • 1/8 セロリアック
  • 2 ローリエ
  • 適量 タイム
  • 適量 マジョラム
  • 適量 フレッシュハーブ類 パセリなど
Schnittlauchsauce
  • 15 g バター
  • 1 大さじ 小麦粉
  • 100 ml 牛乳
  • 2 大さじ サワークリーム
  • 2 大さじ 茹で汁
  • 適量 チャイブ
Apfelkren
  • 1/4 りんご
  • 適量 ホースラディッシュ
  • 好みで レモン汁

Method
 

下準備
  1. イチボ肉は鍋に入る大きさに切り、表面を水洗いして汚れなどを落とす。
  2. 玉ねぎは皮を剥き、根を落として半分に切る。
  3. フライパンを熱し、油を引かずに玉ねぎを焦げ付くまで焼き付ける。
  4. 根菜類は全て皮を剥き、適当な大きさに切る(後々食べることを考えた形にする)。リーキは鍋に入る程度の大きさにすれば良い。フレッシュハーブ類はタコ紐などでまとめておく。
本調理
  1. 肉と野菜類全て(玉ねぎも含め)を鍋に入れる。
  2. 牛骨も加える。
  3. 水をヒタヒタまで加えて、中火にかける。
  4. 一括りに縛ったハーブ類を加える。
  5. さらにタイム、マジョラム、ローリエの乾燥ハーブ類も加える。
  6. 吹きこぼれないように気をつけつつ、じっくりと煮込んでいく。蓋の重たい鍋を使うと良い。
  7. 煮込んでいるうちに灰汁が出れば取り除き、水分が足りなくなれば適宜水を加えて、コトコトと煮込んでいく。
  8. 肉に串が通るくらいに柔らかくなれば完成。最低でも2~3時間ほど煮込むのが目安。
ソース作り 1. Schnittlauchsauce
  1. フライパンにバターを溶かす。
  2. 小麦粉を加えて、しっかりとバターを吸わせながら、軽く炒める。
  3. ホワイトソースを作る容量で牛乳を加え、小麦粉を伸ばしていく。
  4. 好みの濃度になるように肉の茹で汁を加えて、ソースを伸ばしていく。
  5. ダマにならないようにしっかりと混ぜる。
  6. サワークリームを溶かして完成。提供時は、微塵切りにしたチャイブを加える。
Apfelkren
  1. りんごとホースラディッシュをそれぞれすりおろして和える。好みでレモン汁、さらに砂糖や酢などで調味しても良い。
仕上げ。
  1. 基本的に肉とスープは分けて提供するので、肉は鍋から取り出しておく。
  2. 肉の脂は切り取っても良い。その後、好みの厚さにスライスしていく。
  3. 必要なら根菜類も好みの大きさに切り分ける。
スープ作り
  1. 好みでスープ用に根菜を準備しておく。
  2. 茹で汁は濾して、別の手鍋などに移す。
  3. 塩胡椒で調味してスープは完成。好みの根菜と共に盛り付ける。

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