ついに今年も極夜が明けてしまいました。
ノルウェー人たちは大喜びですが、極夜の頃からそれほど陽の光を渇望していない私としてはそれほど嬉しいことでもありません。むしろこれから来る白夜の季節が少し憂鬱…。
特に、極夜が明けて日が長くなっていくとオーロラが見られなくなるので、その意味でも極夜が終わるのは名残おしいとすら感じてしまいます。
と、まあ個人的感傷はさておき、実はノルウェーには極夜が明けた日にある風習があります。これはおそらくノルウェー特有のもので、さらにいうと北極圏に属する北部だけの風習なのではないかと思います。
極夜が明け、太陽が戻ってくる日を”Soldagen(太陽の日)”と呼び、北部ノルウェーの人々は”Solboller(太陽のパン)”を食べて戻ってきた太陽を祝福します。

私の職場でもカフェテリアで無料の”Solboller”とココアが職員全員に振る舞われました。
“Solboller”はカルダモン練り込まれたイースト生地(日本の”あんドーナツ”の生地に似ています)にジャムやバニラクリームなどを詰めた菓子パンで、太陽に見立てているのか必ず表面に粉砂糖などの白い粉がまぶしてあります。
うちの職場では、3〜4種類の”Solboller”が用意されましたが、とりあえず無難なバニラクリームのものにしました。ノルウェーのお菓子はその多くが驚くほど甘いので、既製品を食べる際は慎重を期して選ぶことにしています。個人的には特にジャム系のお菓子は要注意認定しています。これはクリームの甘すぎるものはまだ許容できるけれど、ジャムの甘すぎるものは許容できないという個人的な嗜好の問題なので、クリーム製品の方が甘さ控えめに作られるということではありません。もしノルウェーに来てお菓子を試す時は、その点誤解なきよう。

ちなみに、なぜココアが配られるのかの理由は不明ですが、ボスの意見としては、このお祝いは元々広く祝われるものなので、子供達のためにココアが選ばれているのではないかということです。確かに北欧圏の職場はかなりオープンで、子供が休みの期間(特に秋休みなど)に職場に子供を連れてくるなども見かけます。ただ、”Soldagen”に子供を連れてくる同僚はあまりいない(少なくともうちの職場では)ので、私としてはこの説は疑っています。
甘いお菓子には、甘いココアより、絶対に苦いコーヒーが合うんだけどなぁ。特にノルウェーの甘すぎるお菓子には…。
さて、最後になぜこれが北部ノルウェーだけの伝統だと考えられるかということですが、実は”Solboller”という菓子パンは北部ノルウェー以外にもあるのです。しかし、形状がまるで違います。残念ながら画像はないのですが、北ノルウェー以外の”Solboller”はシナモンロール(これも北欧のものだから日本ではあまり知られてないか…)の真ん中にカスタードクリームが乗せられているような菓子パンです。
こちらの”Solboller”は南ノルウェーで広く親しまれているもので、私の理解が正しければ”Soldagen”以外でも食べられているものです。まあ、そもそもノルウェー南部には極夜は存在しないので、太陽の帰還を祝う必要もないのですよね。
ということで、この”Soldagen”に北部版”Solboller”を食べて極夜明けを祝うというのはおそらく北ノルウェーだけの風習なのではないかなと思います。機会があれば同僚に確認してみようかな。
今回は北ノルウェーのちょっとした伝統を紹介しました。そのうち北部版、南部版ともに”Solboller”のレシピも書こうと思うので乞うご期待。
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